愛人募集

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愛人とセフレの違いって何だろうな？と考えていたら、彼女が屁をこいた。
俺の前で屁をこくとは、だんだんと俺たちの関係にも敷居がなくなってきたんだなと思っていると、彼女が「ブッブッブッ！ボクはオナラのブー太郎～」と謎の歌を口ずさみながら、3発屁をこいた。
屁はともかく愛人とセフレの違いである。堂々と屁をこくようになった彼女は、俺にとって愛人なのかセフレなのか。
出会いは、出会い系アプリだった。一緒にいて楽しくなるような人が希望ですと言う当たり障りのない募集であり、それは愛人募集でもセフレ募集でもなかった。
そこから何度かデートを重ねている内になし崩し的に一夜を共にした感じだ。
お互いに気楽な遊び相手の延長線上にセックスがあるだけの話で、彼女もおそらく深くは考えていないだろう。
愛がないんだったらセフレなんじゃない？とも思うが、愛がなければセックスなんてできないし、別に彼女を肉便器にしているわけでもない。かと言って、愛人という言葉を使うには高尚すぎる気もする。
今夜も彼女とのセックスを終えてしばしの賢者タイムに入った僕が、彼女自身がどう考えているのか知りたくて、それとなく伺ってみたところ
「前に愛人募集したら、いくら欲しいの？なんて聞かれて、お金じゃないんだよなあ・・・って、次はセフレ募集にしたら、本当にセックスだけしたい男しか来なくてさ。どっちでもないんだけど、言えることは今の距離感は好きかな？」
そう言って彼女は屁をこいたのだ。
恥もてらいもなく自然に屁をこき合えるような関係か。屁は極端ながらもお互いに自然体でいられて心を許し合える関係・・・って、これはもう愛人でもセフレでもなくて恋人同士じゃないのか？
「んなわけないじゃん。男でもそうだと思うけどさ、好きな人の前で屁をこく奴なんている？」
あっさり否定された。そりゃそうだ。でも、愛人でもセフレでも恋人でもなく、こうして自然な関係でセックスを楽しめる関係は僕にもありがたいなと思っていると、彼女につられて僕も屁をこきたくなってきた。しかし、何だか屁を我慢してしまう自分がそこにいた。
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